vol.2 データを保管するモノとは? 内部メモリ編

2013/02/12

コンピュータでデータを読み出したりプログラムを実行したりする際には、キーボードやマウスなどの入力装置から与えられた命令を、人間の脳に当たるCPU(Central Processing Unit:制御装置)が判断し、RAM(Random Access Memory)と呼ばれる記憶装置に格納されたデータを読み出して、演算装置にて処理が行われます。その結果がディスプレイやプリンタ、スピーカなどの出力装置から出てきます。

この中で、記憶装置と呼ばれるもの全般を「メモリ」と呼びます。最近では、メモリと言えば半導体素子を用いたものを指すことが一般的のようですが、ハードディスクや光ディスクなども広義の意味で記憶を意味するメモリに該当します。

メモリは、まず「内部メモリ」と「外部メモリ」に分けることができます。内部メモリには、演算時に直接利用するレジスタや一次キャッシュメモリ、メインメモリなどが、外部メモリにはハードディスクや光ディスク、DDSなどの磁気テープ、USBメモリなどが含まれます。近年では、レジスタだけでなく1次キャッシュや2次キャッシュメモリが格納されているCPUも登場しています。

なお、メモリの区分としては、読み出しのみが可能なROM(Read Only Memory)と、データの読み書きが可能なRWM(Read Write Memory)に分けることもできます。内部メモリのなかで利用されるRWMには、メモリの位置を指定することで同じ応答時間でデータを読み出せるRAM(Random Access Memory)と、一定方向に対してだけ順次書き込みや読み込みが行えるSAM(Sequential Access Memory)がありますが、今ではRAMだけが残っており、RWM=RAMと解釈されることも多くなっています。

そしてRAMには、複数のトランジスタで構成されているSRAM(Static RAM)や、蓄積される電気の量によってメモリ機能を実現するDRAM(Dynamic RAM)があります。制御が簡単で高速化が可能なSRAMは、主にキャッシュメモリとして用いられているのに対して、DRAMは比較的安価に大容量メモリが実現できるため、メインメモリとして採用されています。

なお、本来は読み出すことしかできないROMですが、実際には書き込むことが可能なROMも存在しています。例えば、データが書き込まれていない形で出荷され、ROMライタと呼ばれる専用装置を用いて一度だけ書き込むことが可能なPROM(Programmable ROM)や、何度も書き込みが可能なEPROM(Erasable Programmable ROM)などがあります。実はこのEPROMの一つが、フラッシュメモリに採用されています。