サーバのデータ復旧方法とデータ消失トラブルの原因

企業で使用されているサーバからのデータ復旧は、データの重要性、また可用性の観点からも安全かつ確実に、そして迅速に行われることが望まれます。サーバにアクセスできない、データが見つからないといったトラブルの原因はその多くがハードウェア的な故障や人為的ミスに起因します。社内のIT部門が復旧不可能と判断した状況であっても、専門的なノウハウや技術力、設備を持っていれば、データが復旧できる可能性は決して低くありません。

そこで今回は、サーバにおけるデータ消失トラブルの詳細や、専門業者によるデータ復旧サービスの特徴などについて解説します。ぜひ、サーバトラブル解決の一助としてください。

サーバにおけるデータ消失トラブルの原因や症状と復旧方法

サーバにおけるデータ消失トラブルのよくある症状

アプリケーションやデータベース、ファイル共有など、さまざまな機能を提供するサーバは、規模の大小に関わらずビジネスの現場には不可欠な存在となっています。
メンバー同士の協力によって業務を遂行するビジネスシーンにおいては、複数のメンバーが同じ機能やデータを共有できるというサーバの特徴は、業務の効率化に貢献しています。普段はあまり意識しなくとも、その恩恵にあずかっている人は非常に多いことでしょう。

一方で、データや機能がサーバに集約されていることから、思わぬ問題につながることもあります。中でもよく見られるのが、データ消失のトラブルです。業務に必要なデータが全てサーバに保存されている状態で、ある朝突然サーバにアクセスできなくなったり、データが見つからなくなったりしてしまったら、一体どんな事態になってしまうかは想像に難くありません。利便性が高いからこそ、トラブルが生じるとマイナスの影響が大きいのもサーバの特徴なのです。

IDCの調査結果によれば、2015年に国内で稼働するサーバが約300万台、そのうち1%にあたる約3万台においてデータ消失トラブルが発生しています。

中でも遭遇する機会の多いものが、以下のような症状です。

  • サーバのデータにアクセスできない(ファイル/フォルダが開けない)
  • データが見つからない、いつの間にか消えている
  • 誤ってデータを削除してしまった
  • 誤ってバックアップからデータを書き戻してしまった
  • サーバが起動しない
  • リビルドに失敗してしまった

また、深刻なデータ消失にはつながらなくとも、一時的に上記のような症状が出て焦った経験がある人も少なくないのではないでしょうか。サーバにおけるデータ消失のトラブルは、決して他人事ではないのです。

サーバのデータ消失トラブルが発生する原因

では、サーバにおけるデータ消失トラブルは、どのような原因によって引き起こされるのでしょうか。アドバンスデザインの調査では、下記のような内訳になっています。

  • ハードウェアの故障 40%
  • 人為的ミス 30%
  • ソフトウェアの故障 18%
  • コンピュータウイルス 6%
  • 天災・災害 6%

このうち最も多いハードウェアの故障例としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 経年劣化によりHDD内の不良セクタが増加し、OSが起動できなくなる
  • エラーが出たHDDを交換後、リビルド中に別のHDDが破損してRAID(レイド)が崩壊した
  • 複数のHDDが同時にエラーになり、RAIDが崩壊した

一方ソフトウェアに起因する障害としては以下のようなものが挙げられます。

  • 不完全なシャットダウンの後、サーバが起動しなくなった
  • 落雷などの瞬停の後、ファイルが見つからなくなった、または開けなくなった
  • ファームウェアアップデートに失敗し、起動しなくなった

また、突発的な事故や故障以外で注意したいのが、データ消失トラブルの原因のうち3割をも占める人為的ミスの存在です。特に目立つのが、利用者による削除や上書きといった誤操作です。
さらに、管理者サイドでもオペレーションのミスがしばしば発生します。

  • 間違ってフォーマットしてしまった
  • 誤ってRAIDレベルを変更してしまった
  • コマンドを間違い、データを削除してしまった
  • バックアップ用のバッチファイルを逆方向に実行してしまい、データがバックアップと同期されてしまった

こうした様々なヒューマンエラーがデータ消失トラブルの原因となります。

サーバのトラブルとお客様で対処可能なケース

ひと口にサーバのデータ消失と言っても、トラブルの程度や復旧の難易度、復旧方法などは、それぞれ異なることもあります。
ここでは、代表的なトラブルを例に、その復旧可否や復旧方法について説明します。

まず、人為的ミスの代表例である、利用者自身による削除や上書きといった誤操作を挙げてみましょう。これらのケースは発生頻度こそ高いものの、バックアップやスナップショットを作成していれば、管理者がそこからデータを復旧することができます。
また、サーバの利用を一時的に止めることができれば、復旧ソフトを使って管理者がデータを復旧できる可能性もあります。

一方で、HDDにセクタ不良が発生したり、RAID構成に破損が生じたりするなど、復旧に専門知識が要求される不具合の場合、自力での復旧は非常に困難になります。

しかし、復旧自体が不可能というわけではありません。専門のノウハウと設備を備えたデータ復旧業者であれば、これらのデータ消失にも対応できる可能性があります。
例えば、不良セクタが原因でデータにアクセスできなくなったRAIDでも、クローンディスクを作成後に仮想環境でRAIDを再構成し、目的のデータをサルベージするような処置も可能です。

サーバのデータ復旧はノウハウとセキュリティに優れた専門業者へ

信頼できる専門業者に依頼すべき理由

データ復旧を目的にしたソフトウェアや、PCのデータ復旧をサービスとして提供する業者はたくさんあります。
もちろん、状況によってはこれらのツールやサービスが有効なこともあるでしょう。しかしながら、ことサーバのデータ消失トラブルにおいては、その復旧は信頼できる専門のデータ復旧業者に任せるべきだと言えます。

と言うのも、サーバはさまざまな点においてクライアントPCとは条件が異なるからです。
例えば、サーバの多くは小規模であってもRAIDで構成されたストレージを持っています。さらに規模が大きくなれば、仮想化されたシステムになっていることも珍しくありません。

また、サーバの多くはLINUX/UNIXベースであり、使用されているファイルシステムもWindowsやMacとは異なる場合があります。さらに、復旧対象のデータタイプもデータベースや独自フォーマットのファイルなど、クライアントPCと比べて解析の手間がかかるファイルが増えてきます。

このようなサーバ環境におけるデータ復旧は、単体のHDDからのデータ復旧とは難易度が異なります。多様な環境や技術に対応できるノウハウと設備が不可欠であるため、自力での復旧は困難であることが多いでしょう。

また、ビジネスにおけるサーバのほとんどは、業務の根幹をなすシステムであることも忘れてはいけません。一分一秒でも早く復旧させたいところですが、だからといって自力で復旧を試みて失敗してしまっては、かえって業務に悪影響となってしまいます。

こうした理由から、サーバにおけるデータ消失のトラブルは、実績があり、信頼性の高いデータ復旧業者に依頼するのが、結果として最も安全かつ確実な復旧への近道となるのです。

サーバのデータ復旧の際は、業者のセキュリティ体制を確認すべき

サーバのデータ復旧を専門業者に依頼する際は、ノウハウや技術力に加えてセキュリティ面での信頼性の高さも重要になります。

サーバで取り扱うデータは機密性の高い情報が多く、製品仕様、社員や顧客の個人情報、取引先情報や社内のインシデント情報、事業計画など、ほとんどが社外秘情報であるはずです。これらの重要なデータが保存されたサーバを預けてデータ復旧を実施してもらうには、それらのデータが決して流出・漏洩することがないという保証が不可欠なのです。

最低限の要件としては、データ復旧にあたってNDA(秘密保持契約)の締結が可能であることですが、実際にはそれだけでは十分とは言えません。データ復旧の過程でデータ流出や情報漏洩が決して起きないように、設備面でもオペレーション面でもしっかりとした手順と対策が確立されていることが求められます。

そして、データ復旧業者によるこうした取り組みの実効性を判断する際に有効なのが、第三者機関による認証の存在であり、業者が一方的に掲げるセキュリティ対策に比べて、客観的な評価を確認できます。
アドバンスデザインでは、品質とセキュリティの国際規格となるISO9001(QMS)および27001(ISMS)の認証を取得しています。要求されるプロセスに従い、お預かりしたサーバのデータが決して漏洩することのないよう、安全に復旧作業を行っています。

アドバンスデザインの情報セキュリティ対策について、詳しくはこちらへ。

事前相談の重要性

サーバのデータ障害復旧を業者に依頼する前には、必ず事前に相談されることをお勧めいたします。
これは上述のように、サーバの障害はクライアントPCとは条件が異なることが多く、復旧業者がこれに対応できるかどうかを事前にしっかりと確かめる必要があるためです。
対応が適切かどうかを判断するため、問い合わせは技術に詳しい担当者が行うことをお勧めします。

サーバ復旧の場合には診断に時間がかかることも多く、業者選定を誤るとデータ復旧までの期間が長くなり、業務に支障が出る可能性があります。
またストレージを構成するHDDの台数が多い場合、診断作業自体が有料になることもあり、技術力のない業者に出してしまうと無駄な出費となります。

事前相談する際には以下の障害状況リストを用意しておくと良いでしょう。

障害状況リスト

  • サーバの情報(メーカー、型番、OS、ストレージのHDD本数・RAID構成、論理構成など)
  • 障害状況(起動しない、ファイルを削除してしまった、など)
  • 障害原因(ディスクの物理破損、間違ったコマンドの実行、など)
  • 障害発生日時
  • 障害後のサーバの状況(障害後何時間くらい可動しているか、データの上書きはあるか)
  • サーバの使用用途(ファイルサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバなど)
  • 復旧希望データ
  • 希望納期

上記の情報を伝え、復旧の可能性について”突っ込んだ”質問をしてください。

  • 復旧の可能性はあると思うか、それはなぜか
  • データが不完全になる可能性はあるか、それはなぜか
  • 納品データをアプリケーションサーバ、データベースサーバに移行して継続利用するにはどうすれば良いか、またそもそもそれが可能か
  • 同様の障害に対して復旧実績はあるか

技術力のない業者は「お預かりしないと分かりません」という回答しかできませんが、対応力がある業者は詳しい担当者(もしくは復旧技術者)がしっかり対応してくれます。

回答に自信が無さそうだったり、はぐらかしたりする場合、その業者への委託は見送ったほうがいいかもしれません。

復旧実績については必ずしも必要な訳ではありません(新しいシステムはどの業者もやったことが無いかもしれません)が、技術のバックボーンがあれば、論理的に筋の通った回答をしてくれるはずです。

また先述の通り、サーバ復旧の場合には初期診断作業が有料であることもあります。ストレージ容量、HDD台数、システム構成など、業者によって有料になる条件はことなりますが、この点についても事前に問い合わせを行いましょう。

WEBサイトがいかに立派でも、実際には対応力のない業者は多くあります。
事前に電話問い合わせを行うことで技術力、信頼度を確かめることが重要です。

サーバでのデータ障害を避けるための運用ポイント

データ障害に強いサーバを構築するために

サーバにおいて万が一データ消失のトラブルが発生した場合は、信頼できる専門のデータ復旧業者に任せるのが一番です。
しかしながら、できればそのような状況になること自体を避けるべきであり、つまりはトラブルを起こさないようなサーバを構築し、運用することが求められます。

データ消失の最大の原因となるハードウェアの事故に対しては、HDDをRAIDで構成することでシステムに冗長性を持たせる(壊れにくくする)ことが基本的かつ効果的な対策となります。RAIDは、複数のHDDを組み合わせてディスクアレイを構成することで、一部のHDDが故障してもシステム全体が停止することを防ぐことができます。

RAIDのデータ復旧 RAID種類と故障時対処方法を知ろう。

人為的ミスの代表例となる誤削除に対しては、ネットワーク越しの削除に対してもごみ箱機能が使えるようにすることも効果的です。一部のNAS製品にはこうした機能が組み込まれているため、有効に利用しましょう。

また、ハードウェア障害、ヒューマンエラーの両方に対応するために、バックアップを用意しておくは非常に有用です。

バックアップは手動で行うこともできますが、できれば自動で実行されるように設定することが望ましいです。
バックアップ方式には同期や差分などいくつか方法がありますが、運用状況に応じて判断されると良いでしょう。

またバックアップのインターバルについても、データ量やバックアップ方法(同期/差分)に応じて決めることになりますが、あまりインターバルが短いと、誤削除に気づいた後、バックアップから復旧できなくなる可能性もあります。
ファイルサーバであれば1日おきくらいの間隔で行うと事故が少ないかもしれません。

データ障害に強いサーバを構築するためには、こうした技術や機能を取り入れることも有効な手段の一つとなるのです。

データ消失トラブルを未然に防ぐための対策と運用

サーバの障害耐性を高めることに加え、データ消失を防ぐために重要なのは日々の運用です。

サーバは複数人が利用するため、管理者だけでなく、利用者へのルールの徹底が必要です。例えば利用者が誤ってファイルを削除してしまった場合、バックアップがなければデータ復旧を行うしかありませんが、利用者が同じフォルダに同じ名前でファイルを作成したりすると、復旧の可能性が低くなります。

こうしたミスを防ぐためにも、管理者がルールを作成し、利用者に守らせることが重要です。

また、利用者がバックアップ体制について知っていれば、「昨日のバックアップはあるはずだから情シスに相談しよう」と考えることができるため、余計なことをする可能性が低くなります。

RAIDやバックアップの運用については管理者の責任です。

データ復旧に持ち込まれるRAID装置は、HDD1台にエラーが出ているまま放置され、長期間使用されていたケースが少なくありません。

適切にディスク交換を行っていれば、データ復旧を行う必要はなかったかもしれません。
ディスクに障害が発生した場合にRAID装置がどうなるのか(アラートが鳴る、LEDが赤くなる)を事前に把握し、日頃から異常に気付ける体制を作っておく必要があります。

またRAIDの運用においては、ディスクに異常が発生したときにすぐ交換できるよう、予め交換用のスペアディスクを用意しておくことが重要です。
さらに、ディスク交換時の手順や担当者を明確に決めておくことも、運用をスムーズにする上で重要な点です。

万が一のトラブル発生時に注意すべきこと

いくらデータ障害に強いサーバを構築、運用していても、トラブルが発生する可能性を0にすることはできません。
トラブルが発生した際にどれだけ適切な対処ができるかが、その後のデータ復旧の可能性に大きく関わってきます。
ここでは、トラブル発生時に注意すべき基本的なポイントについてご紹介します。

まず行うべきは、状況の整理です。

状況を整理する前に焦って行動を起こし、状態が悪化するのはよくあることです。バックアップはあるか、自社で対応できるか、サーバを止めることはできるか、など、状況を確認し、行動計画を立ててください。

また、重要な前提として、できるだけ速やかに現状保存を行うことを目的に行動してください。
可能であれば電源を落とす、ネットワークから切断するなど、稼働を続けないことが重要です。

復旧業者に相談する場合、先述の障害状況リストを作成した上で業者に電話してください。

アドバンスデザインのデータ復旧サービスでは、サーバ復旧の場合、専門のオペレーターが対応します。トラブルが発生した際には、まずは電話にて相談されることをお勧めします。

まとめ

サーバにおけるデータ消失のトラブルは、対処さえ適切であればデータ復旧が可能なケースが多くあります。
一方で、複雑なストレージ構成や復旧対象データの特殊性により、サーバのデータ復旧は難易度が高くなることが多く、データ復旧には専門的なノウハウや技術力、設備などが不可欠です。

安全かつ確実なデータ復旧のためにも、トラブルの際には信頼できるデータ復旧業者への相談をお勧めします。


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