vol.5 どうやってデータをバックアップするの?テープ編

2013/03/15

バックアップを行う方法にはいくつかの手段がありますが、もっともポビュラーなのが磁気テープを使ったバックアップです。磁気テープを使ってバックアップを行うためには、コンピュータ内にあるデータを磁気テープに書き出すための装置が必要です。この装置にはいくつかの種類があるため、ここで紹介しておきましょう。

まず、1本の磁気テープを駆動させてバックアップを行うときに利用されるのが「テープドライブ」と呼ばれるもので、コンピュータに内蔵するタイプと外付けで設置するタイプに分かれます。1本ずつ磁気テープを入れ替える必要があり、バックアップ対象のデータ容量が大きくて複数のテープに分けてバックアップせざるを得ない場合には手間がかかりますが、シンプルな構成としてコストも安価に構築することが可能です。

次に、磁気テープを挿入するドライブ部分に磁気テープを自動交換するための機能がついている「オートローダー」と呼ばれる装置です。ドライブは1つしかないものの、複数の磁気テープを自動的に入れ替えてくれるため、運用的には手間がかかりません。ただし、テープドライブ同様、ドライブ部分に故障が発生すると装置全体が使えなくなるというリスクがあります。

そして最後に紹介するのが「テープライブラリ」です。テープライブラリには複数のドライブが備わっており、自動交換するためのロボット機構も1つ以上備わっている、大型のテープ装置です。製品によっては7000以上のスロットが備わっているものもあり、バックアップの自動化に大きく貢献してくれる優れものです。もちろん、他の装置に比べてテープライブラリは高価なものになります。

これらバックアップに利用する装置を動かす際に使うのが「バックアップツール」です。装置それぞれに付属しているものもあれば、複数の装置を統合的に管理できる製品もあり、バックアップのためのスケジュールを管理することでバックアップ作業の自動化を実現しています。

最近では、NAS(Network Attached Storage)と呼ばれるネットワークに接続可能なストレージにデータのバックアップを行い、そのNASに蓄えられた情報を磁気テープでバックアップするという「Disk to Disk to Tape」という考え方でバックアップを行っている企業も増えています。