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【オプティカル(光)ディスク】構造・障害・データ復旧

メディア解説:オプティカル(光)ディスク:構造・障害・データ復旧

オプティカルディスクは、記録層をプラスチックの基板と保護層で両面を守られていて、読み書きも光で行われるため、盤面に多少の傷が付いても、レーザの焦点を記録層に当て、十分な反射光がピックアップに返ってくる状態を妨げることがなければ、読み取りに影響を与える障害とならないので、磁気ディスクに比較すると外力や使用環境による影響を受けにくいといえる。しかし、その一方、書き込み可能型のディスクの場合は、光(レーザ)を利用して書き込みを行うので、同じ光を含む太陽光や紫外線などによる影響を無視することは出来ない。

オプティカルディスクの構造

オプティカルディスクは磁気ディスクと異なり、データは、ディスクの最内周を起点とする螺旋状の1本のトラックに記録されているのが特徴である。読み出し専用の“ROM”ディスクは、データを記録した“ビット”が連続して並んだ“トラック”を刻んだ“スタンパ”と呼ばれる金型を使って、プラスチック材料の“ポリカーボネイト”を“射出成型”して作られた円盤に“アルミ”の反射層を“真空蒸着”形成することで作られている。書き込み可能型の場合は、“反射層”が複数の層で構成されていたり、特殊な材料が用いられたりしている。

書き込み可能型の構造:CD-R/RWは1.2mm厚(DVD-R/RWは0.6mm厚2枚)のポリカーボネイト製基板上に、記録層、反射層、保護層(紫外線硬化樹脂)の順に設けられていて、読み書きは基板側からレーザビームにより行われる。 ライトワンス型の記録層は、有機色素で構成され、これをレーザ照射で化学変化を起こしてビットを形成している。

リライタブル型の記録層は、主にアモルファス材を使っており、レーザ照射でアモルファスが結晶化することで反射率が変化することで情報ビットを形成する。(結晶化をレーザ照射で解きアモルファスに戻すことで、記録された情報は消去できる)。この方法を相変化記録と呼ぶ。

光ディスクのデータ寿命は通常の使用環境下で10年以上と言われている。また、DVD-RW/+RWの書換え可能回数は1,000回以上、DVD-RAMは10万回以上とされているが、使用・保管環境によって変化するのでメーカの保証値ではなく、以下の事項を守ることが推奨されている。

  1. 高温、多湿及び、直射日光下での使用及び保存は避ける。
  2. 急激な温度変化をさける。
  3. ディスクの記録面(レーベル面の反対側)が汚れた場合、市販のCD・DVDディスククリーナーでクリーニングを行う。(指紋などの汚れが、カビの発生・腐食の原因になることがある)

障害及びデータ復旧

オプティカルディスクは比較的障害が少ないが、障害として存在するのは、特にCD-Rに多く見られる、反射層の(部分的な)剥離、ディスクが認識されない、の2点が代表的であろう。反射層の剥離の場合、原因はほとんどが人為的な取り扱い上のミスであって、「レーベル面にボールペンで文字を書いたら、部分的に剥離してしまった」、「粘着性のテープを貼って、剥がしたら反射層も同時に剥離してしまった」などが挙げられるが、反射層表面上にデータビットを形成しているので、残念ながらデータ復旧業者においても、「剥離してしまったその部分」のデータを復旧することは不可能である。

「認識できないディスクのデータ復旧」は、具体的な方法の解説は省略するが、別の認識可能なディスクと“ホットスワップ”を行うことでデータを回収することは可能である。また、部分的にディスクが劣化して、特定のファイルが読み取れない、またはリードエラーが多発するような場合の対応方法として、古いドライブではレーザピックアップのレーザ出力の調整や、ピックアップの読み取り出力における“0”、“1”判定レベルが調整できる回路を持っていることが一般的であったので、それらの調整機能を活用することで読み出しを試行することも出来たのだが、最近のドライブでは全てを無調整化したコントロールICを使用しているので、同じような手法を実現するためには、メディア製造業者の「品質管理・試験用装置」を使うこと以外には不可能であり、データ復旧を目的としてそのような大仰な設備を導入することに合理性は無く、ドライブメーカや機種などによる、“ドライブの固体差”を頼りに試行する程度が限界と言える。記録面に付いた傷でエラーを起こす場合は、小さい傷であれば“歯磨き粉”で磨くことで回復可能な場合も存在するし、傷が深い・多い場合には、研磨サービス業者に依頼すればほぼ全てデータ復旧は可能であるといえる。