パソコン(パーソナルコンピュータ)とは

メディア解説:パソコン(PC):パソコン(パーソナルコンピュータ)とは

パソコンは、1980年代にそれまでに存在したコンピュータ、大型汎用機(メインフレーム)や中型汎用機(ワークステーション)と呼ばれる機器に対して、個人レベルで手軽に使用する小型のコンピュータの意味で名付けられ定着したものです。

特に、現在のパソコンと呼ばれる製品の基準・規格となったものは、IBMが1984年に発表した、パーソナルコンピュータモデル”5170”型、正式名称“The Personal Computer for Advanced Technologies 5170” を省略した呼び方「PC/AT(ピーシー・エィティー)」であり、CPUとして、Intel製の80286(286)を使用し、メインボード(マザーボード)、それと接続する、拡張メモリー、拡張スロット等の機能を各々個別に規格化し、専用の特殊な部品の使用をしないことによって拡張性、汎用性のある設計を行ったことが特徴です。そのために、コンピュータを製造販売する他の競合する各社で、100%互換性を持った製品を製造することが可能となり、この機種の規格を基に各社が互換機を開発・発展させることになりました。現在でも古くからパソコンを扱っている人が、WindowsパソコンのことをPC/AT互換機と呼ぶことがあるのもこんな訳があるのです。

今では誰もが疑問を持つことなく、パソコンに搭載されているOS起動用のHDDのことをCドライブと呼んでいますが、これも昔の規格の名残であって、A、BドライブはFDD(フロッピーディスクドライブ)で、Aドライブに起動用のOS、Bドライブには、アプリケーションソフトが書き込まれたフロッピーディディスクを入れて使うことが一般的であり、読み書き動作の早い、記憶容量も大きい高性能なHDDをCドライブとして増設して使用することは、ユーザの憧れであったのです。そして、HDDの価格が下がるにつれて、HDDを初めからOSの起動用として内蔵・使用するようになったにも関わらず、昔の機器構成・規格を守り続けているので、HDD=Cドライブの呼び名がそのまま使われています。 そして、そのHDDのことを、内蔵されていて、パソコンの中心的存在であるにも関わらず、正式には外部(補助)記憶装置と呼ぶのです。

このほかに、日本ではPC/AT互換機が主流となる以前に一世を風靡していた、“NEC”製の“PC-9800(PC98)シリーズ”と呼ばれるパソコンが存在します。基本的なハードウェアとしては、ほぼ同様の構成を持っていたのですが、汎用性・互換性に乏しく、専用のOS(MS-DOS)を使用していたので、PC/AT互換機用のOSである“Microsoft DOS/V”が日本語に対応すると同時に劣勢に追いやられ、その後のOSである“Windows3.1”そして“Windows95”とユーザインターフェイスの改善が進むと、勿論、PC98用の“Windows95”も存在したのですが、汎用性・互換性に優れるPC/AT互換機“Wintel(Windows+Intel)連合”の爆発的な普及によって、消滅に追い込まれてしまったのです。
また、アップルコンピュータが開発・発売した一体型の“Macintosh”に始まる“Mac”の名前を受け継いでいる製品や、その発展型である、タブレット型の“iPad”なども基本的な構成や使い勝手に大差は無く、パソコンと呼ぶことが出来ます。

既にパソコン事業を中国企業“レノボ”に売却してしまったIBMですが、その“PC/AT”が存在しなければ、現在のパソコンの姿は違ったものになっていたと言っても間違いないと思います。“IBMに感謝!”

余談になりますが、“IBM”は、International Business Machines(直訳:国際的事務用機器)を省略した名称です。正に「名は体を現わす」ではないでしょうか。