メディア解説:パソコン(PC):障害(トラブル)について
パソコンの使用上のトラブルを分類すると、大きくは、誤操作によるものと、本体の故障によるものに分類されます。
誤操作による障害
『よくある事例』
- インターネットの閲覧中に、訳のわからないクリックをしたら、パソコンの動作がおかしくなった。
- 便利だと思って、フリーソフトのインストールを続けたら、動作が重くなってしまった。
- 間違えて、動作上必要なソフトウェアをアンインストールしてしまった。
- エクスプローラで不要だと思ったファイルを削除したら、必要なシステムファイルだったので、OSが起動できなくなった。
このようなシステムの動作に纏わる障害で、誤操作が原因であれば、最近のWindowsであれば、“システムの復元”を利用して、保存されている、「復元ポイント」から障害が起きる直前のものを選択して、復元することで、解消することが出来ます。但し、よく間違える人がいるのですが、ユーザの作成したデータ(ファイル)は、システムの復元の範囲には含まれませんので、誤削除したデータファイルを復旧することは出来ません。
もし、“システムの復元”で満足できない場合や、適切な「復元ポイント」が存在しない場合は、メーカ製のパソコンであれば、「リカバリーディスク」などを使って、パソコンを「購入状態に初期化」することでほとんどのシステム上の障害は回復することができますが、ユーザの作成したデータは、消滅してしまいますので、事前に外付けのHDDなどにコピー(バックアップ)しておくことが必要です。
リカバリーディスクの無い、自作パソコンなどの場合は、OSの修復インストールや、クリーンインストールを行って、初期の状態に戻すことが必要となります。
機器の故障による障害
パソコンの特徴と言えるのが、機器の故障の内の過半数を占める故障がHDDに集中していることでしょう。これは、パソコンの中でHDDが最も重要な役割を果たしていると共に、精密な物理的な動作を要求される機構も持った電子機器であるとためともいえます。また、パソコンの特徴は、電源スイッチをON/OFFすることだけで使用/停止できる他の電気・電子製品と違い、決められた手順で起動・停止する必要があることです。このために、「パソコンの電源ボタン(スイッチ)を長く押す“強制終了”を実行すると、HDDが物理障害を起こしやすい」のようなことが、当たり前のように言われています。しかし、終了処理が義務付けられたのは、終了時にレジストリファイルの更新を行うWindows95からであって、それ以前のWindows3.1などでは、そのような要求・必要は無かったのです。実際に電源ボタン長押しによる“強制終了”を1,000回繰り返し、何が起きるのか実験したこともありますが、起動時に1回だけ“チェックディスク”が動作しましたが、OSの起動自体には何の影響も無く、当然HDDには何の物理障害も発生しませんでした。
実際には、動作中のデスクトップパソコンの電源コードを抜いてしまうとか、ノートパソコンのバッテリーを外してしまうような、最も激しい強制終了を実行しても、HDDがファイルの書き込み動作中であった場合には、ファイルが壊れる、またはファイル構造情報と実際のファイルのデータが一致しないなどの「論理障害」が起きる可能性が有りますが、このような場合でも、HDDの致命的な故障である「物理障害」の発生を予防する“保護動作”が働くように設計されているのです。
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