メディア解説

仮想化(Virtualization)とは

“仮想化(Virtualization)”とは、現実(Real)に存在するコンピュータを、コンピュータ上で動作するプログラムや機能によって、見かけ(外観や実際に搭載されている部品によって判断される性能)とは違う動作をさせる技術であって、1台のコンピュータが複数台のコンピュータであるような動作をしたり、現実に存在する複数の記憶装置を(別の機能を持った)1台の記憶装置に見せかけたりすることを指す。

具体的には、コンピュータの世界におけるドライブ(記憶装置)は“現実”に存在するものであり、1台のHDDをパーティーションで2分割し、パソコン上でCドライブとDドライブとして分けて使用するような場合でも、HDD内部のプラッタ(円盤)上では、HDD自身が管理するシステム領域を除いた部分は、物理的な「前半部分」と、「後半部分」がそれぞれのドライブの専用の領域として分かれて存在する“現実(Real)”なものであり、そのドライブに別々のOSをインストールしてマルチブートシステムを構成しても、実際にブートできるのは一方のOSだけに限定されてしまう。

これに対し、ドライブの仮想化技術としては複数のドライブを1台に見せかける場合と、1台のドライブを複数台に見せかける2種類が存在する。複数台のドライブを(機能を追加した)1台に見せかける代表的な方法は、RAIDが代表例であって、複数のHDDがOS上では1台の「論理ドライブ」として取り扱われる。また1台のドライブを複数台に見せかける方法は、MS-DOSやWindows3.1の時代から存在する「ドライブスペース」という機能がそれに当たり、Cドライブのルート上に、OSのブートに必要なシステムファイルと並んで、「.dat」と拡張子の付いた容量の大きなファイルが存在して、そのファイルの内部に圧縮された多数のファイルを収納して、論理的な「ドライブ(圧縮ドライブ)」として動作するようになっていた。これは、ZIPなどの複数のファイルを圧縮し、1つの圧縮ファイル(アーカイブ)とする機能と類似しているともいえる。

“仮想化”と言えば“仮想化サーバ”を指すと理解されるほどの状態である現時点での、「1台のサーバを複数台のサーバとして利用する“仮想化”」は大きく分けると、「ダウンサイジング」によってパソコンや、Windowsサーバが主流になる以前の、“メインフレーム(大型汎用機)”がコンピュータの代名詞であった1960年代から使用されている、「パーティショニング」と呼ばれ、同一のOSで動作している複数のサーバを論理的に作成する技術と、「ホスト型」や「ハイパーバイザ型」と呼ばれ、1台のコンピュータ上で複数の種類のOSが同時に動作しているサーバを論理的に作成する技術との2種類が存在する。

最近これら“仮想化”が見直され、“仮想化サーバ”などと大々的に取り上げられるようになった背景は、コンピュータを形成するハードウェアの高性能化によるところが大きく、CPUやメモリなどの余裕を持って動作している1台のサーバのハードウェアリソースに対して、過負荷による速度の低下が発生しない程度の複数台のサーバを“仮想化”技術によって統合して収めることにより、「省エネルギー・省スペース」を実現し、効率よく活用することを目的とした、“エコロジー”な技術として、活用することが可能になったことがあげられる。