メディア解説

仮想化サーバの障害・データ復旧

データ復旧業者に持ち込まれる“仮想化サーバ”における障害は、“仮想化サーバ”の導入が最近であり、また「最新技術」として認識されていることが理由のためか、従来から存在する種類のサーバに比較して、仮想化環境の削除やフォーマット、仮想化ディスクやスナップショットファイルの誤削除などの「人的な、取り扱い上の問題」に起因する障害が半数を超える圧倒的に高い状態となっている。これは、日本にだけに見られる状況ではなく、アメリカのデータ復旧業者や“仮想化OS”の製造元からも同様な報告がなされていて、システム管理を行っている技術者の知識不足の解消が叫ばれている。

「ホストOS」上の「ゲストOS」: 代表的に使われているVMwareやHyper-Vなどの「ホストOS」上で、「ゲストOS」で構成されている“仮想化されたサーバ”は、VMwareの場合は拡張子が「VMDK(Virtual Machine DisK」など、Hyper-Vの場合は「VHD(Virtual Hard Disk)」などの巨大な容量を持つファイルを中心に、数個のファイルがセットで一台分の“仮想化サーバ”を構成していることが特徴となっている。このように1台の物理サーバ上に、パーティションなどで区切られることなく、仮想化されたサーバを示す何組もの「VMDK」や「VHD」ファイルが並んで存在するのが、“仮想化”されたサーバの内部のファイル構成の特徴である。

「VHD」ファイルは、“Windows Server 2008”や“Windows 7”のバックアップファイルとしても全く同じ形式のファイルが使用されていて、文字通りの“仮想HDD”を意味するファイルといえ、元となるサーバに障害が発生した場合でも、これらのセットになったファイルを無事に回収することが出来れば、「仮想化サーバのデータは完全に復旧できる」ことになり、また、「DMDK」や「VHD」ファイルが完全に回収できなかった場合でも、回収不能な部分を除いて、或いはダミーデータを埋め込んで、ファイルとして結合し、そのファイルの内部を解析すれば、“仮想化サーバ”の中のファイルを個別に回収することも出来る。

「VMDK」や「VHD」ファイルのフラグメント(断片化): 仮想化サーバの設定方法は、最初の設定時に個別の“仮想化されたサーバ”1台ずつ容量を決定してしまう方法と、必要に応じて個別のサーバ容量をフレキシブルに変更するように設定する方法の2種類が存在する。このうち前者の「固定容量型」を選択すれば、「VMDK」などのファイルは、初めからデータの存在しない空白部分を内部に持ったファイルとして構成されるので、フラグメント(断片化)の発生は予防することが可能だが、後者の「可変容量型」を選択すると、容量の変更(追加)を行う度にファイル容量が増加することになり、容量の増加部分はドライブの未使用部分が割り当てられるので、当然ファイルのフラグメント(断片化)の発生を意味し、ホストOSのファイル構造情報に損傷が発生した場合には、「VMDK」などの仮想化サーバを構成しているデータの全体を回収することが困難となり、場合によっては一部が欠落するなどの原因となってしまうことも“仮想化サーバ”の特徴といえる。